相談事例(最強の事前対策)

相談者:将来の被相続人及び将来の相続人

相談内容

今回の相談事例は『最強の事前対策』です。そもそもここに綴っている様々な事例は、相続が起こった後にこのようにしました。という内容の事例がたくさんあります。今後も、相続後の事例をたくさん載せたいとは思います。しかし本来は相続が起こる前の『事前対策』が大切なはずです。しかし、私に相談に来られるときには既に相続が終わっている場合がほとんどです。従って、相続事後対策が圧倒的に多くなります。事前対策は(事後対策も)、それぞれの相続内容も様々ですので、一律にこれが『最強の事前対策』などというものはありません。それなのに大袈裟に『最強の事前対策』となっている対策を私なりに考えてみました。

相談者が被相続人でも相続人でもありません。将来の被相続人及び将来の相続人となっています。つまり、現在は存命ということです。将来の被相続人(例えばこの場合父親とします)。相続人は配偶者(同居)と二人の子供夫婦(別居)とします。まずは自分(父親)が亡く

なった時、相続財産をどうしたいかを配偶者と二人の子供夫婦(夫婦一緒の時)に何度も話をする。「自分は、この家はこうしたい。田畑はこうしたい。預貯金はこうしてくれ」というような話です。また子供夫婦は、「おやじ、申し訳ないが親父が死んでもこの家には住まないよ。どうするかは何とか考えるは。売れるものなら売るよ」などとなるでしょうか。

またアパート等の不動産がある場合は、例えば一方の子供夫婦が「自分はアパートが欲しい」というかもしれません。それに対してもう一方の子供夫婦はどう考えているかも話し合うのは当然です。被相続人の希望も相続人の希望も全てかなうのが理想ですが、それは無理です。100%は無理ですが、自分の希望に極力近付ける。そのためには主張するのは大切ですが、譲るべきは譲るのも必要です。但し、相続人より被相続人の想いを優先させるのは当然です。被相続人の財産をどうするかの話ですので、被相続人の想いを一番大切にします。

ポイント

あくまで『円満相続』で、決して『争族』にはしない。被相続人が話をリードして自分の思い通りにしようと思えば、ある程度若くて元気なうちから相続の話をしておくべきです。

  • 相続の話をする回数は、多ければ多いほど良い→子供達も相続の話に慣れてくる。
  • 自分の気持ちを素直に伝える→親父は、そういう考えかということが分かる。
  • 何故そう思うかも必ず伝える→子供の思いは当初違っていても、親父がそう思うならということもある(想いを知っていれば防げた『争族』もある)
  • 無理強いはしない→想いを伝えるだけ伝えたら後は相続人の判断に任せる。

以上、被相続人と相続人が常日頃から、『自分が亡くなったらこうして欲しい』という相続の話を数多くすることが、相続で問題を出さない『最強の事前対策』だと私は考えます。

 

次回より、また多くの事例掲載を予定しておりますので、引き続き宜しくお願い致します。

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