相談事例(相続空家・遠隔地)

相談者:相続人

相談内容

相続人は、まだ30歳代独身女性です。お父さんは一人っ子で、早くに癌でお亡くなりになられていました。

祖母の主人は、ずいぶん前にお亡くなりになられていましたので、被相続人である相続人の祖母が亡くなり、孫の女性が被相続人の自宅を代襲相続されました。

問題は、相続人は東京で一人暮らし。祖母の自宅には子供の頃数回しか行ったことがない。

そして祖母が亡くなってからは、ずっと空家で、たまに県外の母親が、家の空気の入れ替え、草取り等に1年に12回程、東京から来ているという状況でした。

ご縁が有り、弊社が近くで空地を購入し、新築住宅を建築される方に販売しました。

随分古い空家でしたので、私も何となく気になっていました。

そこで、県外の所有者の女性にお手紙を出させて頂きました。

謄本から、住所は分かりますし、いつ相続されたかも分かります。

多分、随分色々と気になっておられるんだろうなと思いました。

お手紙には、「管理が大変でしょうから、お売りになられませんか?」という内容を、ズバリ書いておきました。

案の定、所有者のリアクションは早く、「今度の土・日にそちらに帰るので、いくらぐらいで売れそうか見てもらいたい」との電話連絡がありました。

所有者の方と親類の年配男性の方(30歳代独身女性ですので、一人では心細かったのでしょう)のお二人と現地で、お会いしました。

建物の中を拝見させて頂き、近隣の土地価格及び中古価格、そして相続した建物はリフォームしても住めないので、逆に解体費用が必要になる旨等、色々とお話させて頂きました(お二人とも、リフォームしても住むのは無理で、解体が必要ということは認識しておられました)

売却の希望金額をお聞きし、現地で別れました。

後は、電話でのやりとりで、3週間後には弊社と買取の売買契約を締結しました(契約時に売買代金一括支払いと所有権移転手続きを同日に行いました)

通常は、売主様の希望売価と、買主弊社の希望買取価格に開きがあり、それを埋めるために時間を要するというのが普通ですが、このケースは金額面がすんなり決まり、お互いが納得いく金額で、売買契約ができました。

ポイント

希望売価と購入価格に開きが出ず、スムースに契約できたのは、売主自身が「建物に価値は無く、逆に解体費用及び残存物処理費用で、持ち出しが出るんじゃないだろうか?」と、思われていたからです。

実際、その通りですので、業者によっては「数十万円、あるいは数万円で買ってあげます。」という話でも売主様は契約されたかもしれません。

県外で、目が届かない不安というのは想像に難くありません。

不安をあおる業者が中にはいるかもしれません。

今回はたまたま正直不動産(自分で言うと値打ちが下がりますが)で良かったですが、いつもいつも私が言っている「親(被相続人)がすべき最大の相続対策は、子供(相続人)に負担を残さないこと」は、本当に大切なことだと感じました。

相談事例(スムースな相続登記)

相談者:相続人

相談内容

父親が亡くなって20年以上経っている。相談者は、各地を転勤で転々としたが、東京に中古マンションを買い、母親と二人暮らし(相談者年金暮らし。

子供は別のところにそれぞれ居住)。自分の他に、姉と妹がいる。姉も妹も県外に嫁いでいて、家族で育った実家(父親が亡くなってから、ずっと空家で築60年経過)を処分したいと相談有り。

この場合、相続人は亡くなっている父親の妻(相談者の母親)と相談者、姉、妹の4人となります。

早速、謄本を取り、現在の所有者を確認します。登記簿謄本を確認して分かったのですが、土地、建物共かなり前に姉に相続されており、その後相談者に贈与されていました。

本来ですと、非常に段取り良くスグ売買できる状況です。現地を確認しますと、建物は1棟ですが、何度か増築されているようです。

そこで、固定資産税をいくら払っているかの納税通知書を見せて頂きました。すると、土地は1筆ですが、建物が2棟建っていることになっていました(外観からだと1棟の建物ですが、税金上は2棟別々の建物となっています)

法務局にも「この地番上に登記された建物は何棟ありますか?家屋番号は何番ですか?」と電話確認しました。法務局は、電話でその土地に登記されている建物が何棟あるか?また家屋番号は何番か等、親切に教えてくれます。

漏れていた1棟の建物謄本を取ると、亡くなった父親名義のままです。相談者に相続登記をしてもらわなければなりませんが、そのためには、母親、姉、妹の3名の「相続放棄」が必要です。

母親と姉は問題ないのですが、その時初めて、妹さんは亡くなっておられることを知りました。妹さんには子供が二人います(甥二人が相続人となります)

相談者と甥二人は、何かの親族行事の時、また特段の用が無くても祖母のご機嫌伺いに来るような間柄でしたのでスムースに「相続放棄」をして頂きました。通常、これらのことは、司法書士に依頼します。

売却も何とか出来ました。相談者が相続した「不動産」は価値のない負の遺産、いわゆる「負動産」でしたが、少なくとも相談者は今後この「負動産」の管理で頭を悩ませることは無くなりました。

ポイント

これが「負動産」ではなく、ある程度価値のある「不動産」であっても、結果は同じくスムースに全員が「相続放棄」をしてくれたと思います。皆さんも自分自身に置き換えて考えてみてください。

相続人に兄弟姉妹がいる可能性は非常に高いです。普段から兄弟姉妹が仲が良ければ、その子供達もたいていは、仲が良いものです。

両親が、「兄弟、仲良くしなさい」と言うのは、案外こういう時のためかもしれません。私も、二人の愚息に「兄弟、仲良くせぇよ」というのは今更ですので、「老後の面倒は二人でみてくれよ。

長男も次男もない。近い、遠いも無いだで」と、仲良くを二人でに置き換えて言っています。相続人か被相続人にいつ誰がなるかは、分かりません。

家族親族が仲良くしておいて何かが損になる可能性は、何も無いと思います。仲が悪ければ、「相続」ではなく、「争族」になる可能性はあります。

相談事例(最強の事前対策Ⅱ)

年明けの日本を襲ったニュースに悲しみや無力感を覚えたのは、私だけではないと思います。被害にあわれた方々が1日も早く日常を取り戻されることを願うばかりです。

さて、新年のスタートの相続事前対策はまたまた大袈裟に最強と前置きしています。先回の『最強の事前対策』とは全く違う切り口での話を今回は記載させて頂きます。また特定の相談者から何か相談を受けての回答ではありません。

私と懇意にしている知り合い(同じように相続相談をメインにされている方で仮にAさんとします)と色々と話をしている時、何かのはずみで出てきた話です。よく「自分は何も相続していない。土地も家(実家)も長男が相続し、現金の類はほとんど無かった」というような話をされる方がおられます。

特に田舎になれば、逆に相続したくない不動産を相続しなければならないというようなこともあるでしょう。テレビドラマのように何億もの遺産をめぐる骨肉の争いというのは山陰地方ではほとんど無いかもしれません。

しかし、大部分の方が言われる「ほとんど何も相続していない(貰っていない)。貰ったのは、ほんのわずかのものだった」と言うのは本当でしょうか?というような話にAさんとなりました。ここでいう相続する物とは、不動産・預金・株式等のお金に換えることが出来るものあるいは、お金そのものです。

「子孫に美田を遺さず」ということばがあります。美田は、その人の置かれている立場によって意味が全然変わってきますが、ここでは一般的なお金及びお金に換えることができるものとします。

この美田は私も遺そうとは思いません(遺せる美田もありません)。Aさんも同じ考えでした。自分自身を振り返った時、確かに亡くなった父親から「美田」をもらったとは相続時思いませんでした。

しかし、前期高齢者となった今、色々考えると父親からお金や不動産以上のものを相続(どちらかというと生前贈与)して貰ったような気がします。子は親の背中を見て育つと言われます。親から色々なものを貰いました。

一番は自分に対する愛情、そして躾、行動・考え方などです。私は転勤も20年以上しましたが、子供の頃は勿論、勤務してからも割と長く親と同居していました。その何十年もの時間から色んなものを相続していたのです。

具体的な事は省きますが、これが私が皆様にお勧めしている『口頭遺言』に繋がっているのだと感じます。『口頭遺言』はどちらかというと「美田」をこうしてくれという話です。

「美田」以外の目に見えない貴重なことを子供達(相続人)に遺してほしいと思います。法的には書面ですが、こころの遺言はやはり口頭だと思います。親は子供達にいろんな話をしてください。

子供達は親から色んな話を聴いてください。以前も書きましたが、改まった感じでなくても、酒の席でも良いと思います。昔話でもなんでも良いです。それはこうした方が良いと思うよでも良いです。

親が子供達のことをどれほど想っているか。「美田」より余程価値のある人間の「生き方」を、親が子供達に教えるのがこころの相続だと思います。

「美田」は使えば無くなりますが、この相続した「生き方」は永久に無くなりません。

相談事例(最強の事前対策)

相談者:将来の被相続人及び将来の相続人

相談内容

今回の相談事例は『最強の事前対策』です。そもそもここに綴っている様々な事例は、相続が起こった後にこのようにしました。という内容の事例がたくさんあります。今後も、相続後の事例をたくさん載せたいとは思います。しかし本来は相続が起こる前の『事前対策』が大切なはずです。しかし、私に相談に来られるときには既に相続が終わっている場合がほとんどです。従って、相続事後対策が圧倒的に多くなります。事前対策は(事後対策も)、それぞれの相続内容も様々ですので、一律にこれが『最強の事前対策』などというものはありません。それなのに大袈裟に『最強の事前対策』となっている対策を私なりに考えてみました。

相談者が被相続人でも相続人でもありません。将来の被相続人及び将来の相続人となっています。つまり、現在は存命ということです。将来の被相続人(例えばこの場合父親とします)。相続人は配偶者(同居)と二人の子供夫婦(別居)とします。まずは自分(父親)が亡く

なった時、相続財産をどうしたいかを配偶者と二人の子供夫婦(夫婦一緒の時)に何度も話をする。「自分は、この家はこうしたい。田畑はこうしたい。預貯金はこうしてくれ」というような話です。また子供夫婦は、「おやじ、申し訳ないが親父が死んでもこの家には住まないよ。どうするかは何とか考えるは。売れるものなら売るよ」などとなるでしょうか。

またアパート等の不動産がある場合は、例えば一方の子供夫婦が「自分はアパートが欲しい」というかもしれません。それに対してもう一方の子供夫婦はどう考えているかも話し合うのは当然です。被相続人の希望も相続人の希望も全てかなうのが理想ですが、それは無理です。100%は無理ですが、自分の希望に極力近付ける。そのためには主張するのは大切ですが、譲るべきは譲るのも必要です。但し、相続人より被相続人の想いを優先させるのは当然です。被相続人の財産をどうするかの話ですので、被相続人の想いを一番大切にします。

ポイント

あくまで『円満相続』で、決して『争族』にはしない。被相続人が話をリードして自分の思い通りにしようと思えば、ある程度若くて元気なうちから相続の話をしておくべきです。

  • 相続の話をする回数は、多ければ多いほど良い→子供達も相続の話に慣れてくる。
  • 自分の気持ちを素直に伝える→親父は、そういう考えかということが分かる。
  • 何故そう思うかも必ず伝える→子供の思いは当初違っていても、親父がそう思うならということもある(想いを知っていれば防げた『争族』もある)
  • 無理強いはしない→想いを伝えるだけ伝えたら後は相続人の判断に任せる。

以上、被相続人と相続人が常日頃から、『自分が亡くなったらこうして欲しい』という相続の話を数多くすることが、相続で問題を出さない『最強の事前対策』だと私は考えます。

 

次回より、また多くの事例掲載を予定しておりますので、引き続き宜しくお願い致します。

相談事例(事前対策・成年後見制度)

相談者:将来の相続人

相談内容

将来の相続人(被相続人の実の娘)の長男夫婦がアパート暮らしなので、被相続人(相続人の母親)名義の敷地に家を建てさせたいとのこと。被相続人(現在はご存命ですが、以降の表記も被相続人とだけさせて頂きます)名義の敷地は300坪位あり、そこに30年位前に建てた自宅があります。自宅で母親(被相続人)、本人(相続人)、長男夫婦、長女と5人で暮らしていました。長男夫婦と長女は自宅を出て、アパート住まいを始めました。母親も要介護度が進み施設に入りました。その後、認知症と診断され、弁護士が成年後見人となりました。

ここまでの話は非常に一般的な話です。問題はこの認知症の祖母名義の土地に孫夫婦(被相続人からみて)が家を建てるということが、中々労力のいる話となりました。相続人から見ての長男夫婦(被相続人の孫夫婦)が家を建てるということに係わる人たちの思いが様々だからです。母親は、ずっと自分が被相続人の面倒を一人で見てきた。長男夫婦が同じ敷地内に住んでくれれば安心である。長男夫婦もこの場所で土地から購入すれば、相当な金額になる。それがタダでもらえるのであれば、万々歳(母親が同一敷地内にいるということをどう思うかは別にして)。長女は、実家には不動産しか財産は無いと思われるので、自分が相続人になった時には長男夫婦がほとんどの財産(不動産)を長男のものにしていて、自分の取り分が無くなるのではないか?等、それぞれに色々な思いがありました。被相続人だけは、何も思っていません。イヤ、思えません(認知症ですから)。いよいよ長男夫婦が家を建てるとなった時、後見人の弁護士に被相続人名義の土地に建てますという話をしました。弁護士の回答は、土地を貸せることもできません。どうしてもそこに建てるなら買って下さい。結局、建物が建つ最小の面積で分筆してその部分を長男夫婦が購入し、新築をして住まわれておられます。長男夫婦も母親も、まさか弁護士に被相続人の土地を買えと言われるとは思わなかったとのことです。成年後見人が選任された時点から結論は見えていました。認知症とはそういうことなんだということを改めて思い知らされました。

ポイント

被相続人になるであろう方はご存命です。かつ認知症のために後見人がつています。そのため、話がごちゃごちゃで分かり難いと思います。申し訳ございません。

成年後見人は、被後見人の利益を守るのが一番の仕事です。従って、家族といえども無償で被後見人の財産(この場合土地)を譲ることはできません。将来、被相続人が実家に帰る可能性もゼロではありません。認知症になった時点でどうすることも出来ませんが、『家族信託』を使って、被相続人を委託者、相続人を受託者としていれば、被相続人の土地を購入しなくても借地等の方法があったということです。但し、全てのケースで『家族信託』を推奨するものではありません。繰り返しになりますが、認知症になる前で無ければできない方法ですので、認知症になったあとは、成年後見人というのが、現実的なところです。

相談事例(事前対策・口頭遺言)

相談者:将来の被相続人

相談内容

以前にも同じような内容の相談事例を記載しました。今回もまた記載させて頂くのは、 この手の相談が非常に増えてきているからです。「将来自分が死んだ後の相続財産は、 残された家族が争いなく分けるなり、処分するなりうまくしてくれるだろうか?」という漠然とした不安のような感覚を、 丁度我々の年代の方が考え始めます。

ここで問題が、 考え始めてはいるが切羽詰まった程焦ってもいないということです。何をすれば良いか分からないというのが本音でしょう。 「私が死んだら相続財産はどうなるんでしょうか?」という相談者に、私が話す内容はいつも決まっています。

「あなたは、 どうされたいのですか?あなたの思い通りになるような方法を考えましょう」ということです。相続する財産の種類、 多寡により相続方法を考える必要がありますし、それが相続対策の本流のようにも感じます。


しかし私の一番は、 本人がどうしたいかです。本人のしたいように相続する。これが一番だと思います。
只、 それだと相続人によって、 相続財産に差が出た時に不満が残り「争続」となります。遺言書一番良いのでしょうが、少し敷居が高いのと(今は法務局を利用する敷居の低い方法もあります)、 亡くなった被相続人の遺言書を急に見せられても、 とまどう相続人もおら れると思います。

遺言書の文字だけでは伝わらないことが多々あります。常日頃から「自分が死んだら、 財産はこういう具合に分けてくれ」と相続人に何度となく伝えておきます。同居だとそのようなチャンスは割とあると思いますが、 離れている場合は盆や正月とか何か顔を合わす折に相続の話もするように心がけます。

あらたまって話するのが苦手な人は皆が集まって飲んでる席でも大丈夫だと私は思います。とにかく「自分はこうしたいんだ」という話を相続人にしましょう。少なくとも相続人が「親父(例えばです。被相続人のこと)はそう思っているんだ」ということを知っているのと知らないでは全然相続人の心情が違います。これで少しくらいは「争続」 が減ると思います。

ポイント

「口頭遺言」は、 遺言書のゆるいバー ジョンみたいな感じです。「こうしたいんだ」を口に出すことは大事ですが、 一番大事なのは「なぜ、 そう思うか」も一緒に伝えることです。 「なぜ、 そう思うか」を省くと、 全く意味のない「口頭遺言」となることは肝に銘じるべきです。

「口頭遺言」はこころの相続でもあります。

相談事例(相続不動産処分・遠隔地)

相談者:相続人

相談内容

相続した母親の自宅を処分したいが、一緒に暮らしたことは無い。父親が早くに亡くなり、母親が自分一人で住む自宅を建てたとの事。相続人自身が住んだことのない住宅を相続する。

実家であれば、幼少の頃住んでいたということもありますが、相続人が40代で県外で生活している時に被相続人が建てた家ですので、2~3回しか行ったことがないという状況でした。

被相続人が一人で住んでいた家ですので間取りも2DK、土地も30坪弱でした。建物自体がとても住める状態ではありませんので、建物解体後に更地として売却が一般的な処分の方法だと思います。只、両隣と後ろは家がギリギリまで建ってます。

ものすごい需要が見込めるという場所でもありませんでしたので、解体する前に隣接地所有者は勿論、近隣エリアを回って、ある程度目処がたってから解体することとしました。

この場合は、条件面での合意まで時間がかなりかかりましたが、結局はお隣の方が購入されました。 

ポイント

不動産を処分する時、近隣を訪問することは常識です。お隣の方に購入して頂くのが一番良いです。隣接者に購入して頂くのが一番良いのには色々な理由が有りますが、何といっても売不動産の状況が、それこそ一番分かっておられるということが一番の理由です。

お隣で何十年も生活されていますので、一番事情が分かっていると言っても過言ではありません。昔から「隣の土地は倍出しても買え」と良く言われます。これは、地続きになれば活用方法が増えるということです。

でもわれわれ業者にとっての一番は、購入後に買主からクレームが出ないということが一番良いことです。その不動産をいわば一番よく知っている方が購入されるわけですから(何十年もお隣で生活されていますから、我々より余程どういう不動産かということは良く知っておられます)、クレームもほぼ出ようがありません。

不動産は、本当に必要とされている方に納得のいく形で購入して頂きたいと常々思っております。

相談事例(事前対策・不動産処分)

相談者:将来の被相続人

相談内容

この被相続人になるであろうと思われる相談者は、全ての自分名義の不動産を自分が生きている内に処分したいという相談でした。
相続人は被相続人の兄弟の子供です。一般的に多い相続人は配偶者と子供です。最近自分の兄弟が相続人というケースがちょくちょくあります。

被相続人が結婚をしなかった場合にこのケースが多くなります。以前も相続した不動産を全て処分したいという相談を受けましたが、この時は相続した人(相続人)からの依頼でした。この時も自宅、倉庫、山林、畑、田と30筆以上の不動産でした。

時間は要しましたが何とか全て処分しました。やはり山林と農地が苦労しましたが、全ての不動産をお金に換え、自分が残り必要と思われるお金(市営住宅家賃・生活費他)以外は全て甥に渡しました。

被相続人名義の通帳に入金し通帳・印鑑とも甥に預けていました。遺言書も書いてあるとのことでしたので「本当にすごいですね」と感心しました。

ポイント

一番は遺言書を書いていると言われた時に相続に関しては信頼できる人だと思いました。毎年5月に来る固定資産税の納税通知書が自分が元気なうちに来ないようにしなければならないという一念で10軒以上の業者・知り合いに相談したとのことでした。つまるところ、どれだけ本気かということで結果が変わるということに改めて気付かされた事例でした。

山林、農地(それも農業振興地域内及び第1種農地でした)は時間とお金を要しましたが何とかなりました(この場合はかなり運が良かったと思います)
勿論『ご免なさい』と頭を下げるケースもありますが(その方が多いです)、まずは諦めず何でも相談してみてください。

但し、手前味噌ですが、税理士さんは税金のプロ。弁護士さんは法律のプロ。不動産のプロは、やはり【不動産屋】です。相続に詳しい信頼のおける【不動産屋】にご相談ください。

相談事例(事前対策・生前贈与)

相談者:将来の被相続人

相談内容
まず、被相続人というのは亡くなられた方のことですから将来の被相続人というのは現在は生きておられるということです。
事前対策ですから亡くなる前に対策をしましょうということです。


今まで相続財産(主に不動産)に関する相談を多数受けてきましたが、相続した後の不動産をどうするかという相続人からの相談の方が圧倒的に多いです。
でも事前対策ですから本来生きているうちにすべき対策です。
今回の相談は何が正解かが分からないというものです。


その時期が近付けば皆そうなると思います。
「どうするのが一番良いと思うか?」と聞かれた私は「一番良いかどうかは分からないが、私ならこうすると答えました」それは、自分が誰にどれくらいのもの(相続財産)を残すかをまず決める。


自分が生きている内に全て手を打つ。ただ、本当に被相続人の数だけ相続問題はありますので、あくまで相談を受けた方の場合はという条件付きです。相談内容はかなり割愛簡素化で記載しています。

ポイント

その方は奥様とお子様二人(お二人とも結婚されています)
将来は長男夫婦に定年退職した後に面倒を見てもらいたいと思っておられました。
私は生前贈与が最強の事前対策だと思っています。
死んでしまったら自分がどうこうできません(遺言書があれば少しは意に沿った形になりますが)


生きている内に相続人になるであろう人達に常々自分の意思を明確にしておく。そしてこの方の場合は、全ての不動産は奥様。現金類は奥様5。長男夫婦4。長女夫婦1。これ位の割合で生きている内に分けたらどうですかと提案しました。


長男夫婦も長女夫婦もお金が必要な時期が異なりますがその時期は必ず来ます。子供夫婦にお金を少しずつ渡し、自分の意思が働くうちに相続を終えてしまうという考え方です。相続人は以外に被相続人の本当の気持ちがどうだったかということは分かりません。
そして残された不動産をどうするかで何年も悩んでおられる方が実際におられます。

相談事例(土地相続・駐車場)

相談者:相続人

相談内容

相続人は相談者と、相談者の母親の二人。それなりの相続財産があり、税理士と相談しながら母親と相続財産を分けました。被相続人は、自宅は勿論、居住地市内及び県外にも不動産をお持ちでした。

税理士を交えた遺産分割協議は半年近くに及びました。相談者から相続した県外の土地を売却して欲しいとの連絡を頂きました(実際は、県外の私の知り合いの業者を介して私に紹介がありました)

相続人は一度もその土地を見たことが無いとのことです。用が無ければ決して珍しいことではありません。問題は、その土地を駐車場として誰かに貸しているらしいということです。

現地に行きましたら、60坪位の普通の分譲地内の土地です。駐車している車はありません。相続人に確認すると、相続が発生するまで「トットリトリコ」という方から毎月決まった額の入金があった(勿論、被相続人の通帳に)

相続が発生してから(父親が亡くなってから)、入金が途絶えている。現在も駐車場として使用しているなら、駐車代金を回収して欲しいとも頼まれました。

何度か現地に足を運びましたが駐車してある車がありませんから調べようがありません。いずれにしてもそんなに遠くの方が駐車場として借りることはないと考え「トットリ」姓の近隣のお宅を訪問しました。

日曜日の雨の日でしたので、万良く私が借りていましたという「トットリトリコ」さんご本人に出会いました。「今年は、なんかついてるなー」と正直思いました。

①いつまで駐車されていたか?
②今現在、駐車されることはあるか?
③駐車料金の滞納はないか?
等、お話をさせて頂きました。事のいきさつを了解し、相続人に早速連絡しました。早速土地を売りに出しました。
スグ買いたいというお客様が現れ、即契約。素敵なデザイナーズ住宅が建ちました。


ポイント

このケースは、自分でも万が良いと本当に思いました。「トットリトリコ」さんと、どういう賃貸借契約を結んでいるか分かりません(相続人は契約書の類は持っていません)

上記の①は、ある時期駐車料金が入金できなくなり銀行に連絡したところ、通帳名義人死亡により口座凍結のため入金できないので、賃貸人に連絡して相談して下さいと言われた。今まで聞いていた番号に電話するが、何度電話しても通じない。
②偶然にも時同じくして、家の駐車場が1台分空いたので、入金できなくなってからは、借りていた土地には一度も駐車していない。
③入金できなくなってからは、一度も駐車していないので滞納(無断駐車)もない。

以上、私の判断で、①の時点で契約解除と見做す。②③より、今後も駐車はしないことを承諾して頂き、①以降の駐車料金は勿論頂かない。ということで、全てがうまく運びました。

相続不動産に限らず、不動産に関することは、やはり不動産のプロに相談するのが、一番だと思います。あなたの困りごとの解決糸口を何とか見つける努力をいたします。

どのような不動産でも、売却に限らず活用相談でも、何でもお気軽にご相談下さい。