相談事例(相続空家・遠隔地)

相談者:相続人

相談内容

相続人は、まだ30歳代独身女性です。お父さんは一人っ子で、早くに癌でお亡くなりになられていました。

祖母の主人は、ずいぶん前にお亡くなりになられていましたので、被相続人である相続人の祖母が亡くなり、孫の女性が被相続人の自宅を代襲相続されました。

問題は、相続人は東京で一人暮らし。祖母の自宅には子供の頃数回しか行ったことがない。

そして祖母が亡くなってからは、ずっと空家で、たまに県外の母親が、家の空気の入れ替え、草取り等に1年に12回程、東京から来ているという状況でした。

ご縁が有り、弊社が近くで空地を購入し、新築住宅を建築される方に販売しました。

随分古い空家でしたので、私も何となく気になっていました。

そこで、県外の所有者の女性にお手紙を出させて頂きました。

謄本から、住所は分かりますし、いつ相続されたかも分かります。

多分、随分色々と気になっておられるんだろうなと思いました。

お手紙には、「管理が大変でしょうから、お売りになられませんか?」という内容を、ズバリ書いておきました。

案の定、所有者のリアクションは早く、「今度の土・日にそちらに帰るので、いくらぐらいで売れそうか見てもらいたい」との電話連絡がありました。

所有者の方と親類の年配男性の方(30歳代独身女性ですので、一人では心細かったのでしょう)のお二人と現地で、お会いしました。

建物の中を拝見させて頂き、近隣の土地価格及び中古価格、そして相続した建物はリフォームしても住めないので、逆に解体費用が必要になる旨等、色々とお話させて頂きました(お二人とも、リフォームしても住むのは無理で、解体が必要ということは認識しておられました)

売却の希望金額をお聞きし、現地で別れました。

後は、電話でのやりとりで、3週間後には弊社と買取の売買契約を締結しました(契約時に売買代金一括支払いと所有権移転手続きを同日に行いました)

通常は、売主様の希望売価と、買主弊社の希望買取価格に開きがあり、それを埋めるために時間を要するというのが普通ですが、このケースは金額面がすんなり決まり、お互いが納得いく金額で、売買契約ができました。

ポイント

希望売価と購入価格に開きが出ず、スムースに契約できたのは、売主自身が「建物に価値は無く、逆に解体費用及び残存物処理費用で、持ち出しが出るんじゃないだろうか?」と、思われていたからです。

実際、その通りですので、業者によっては「数十万円、あるいは数万円で買ってあげます。」という話でも売主様は契約されたかもしれません。

県外で、目が届かない不安というのは想像に難くありません。

不安をあおる業者が中にはいるかもしれません。

今回はたまたま正直不動産(自分で言うと値打ちが下がりますが)で良かったですが、いつもいつも私が言っている「親(被相続人)がすべき最大の相続対策は、子供(相続人)に負担を残さないこと」は、本当に大切なことだと感じました。

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