コラム(紺屋の白袴)

「ほむさぽ岩美通信」でもお知らせしましたが、「所有者不明土地」の解消を目指す不動産の相続登記義務化の法律が成立しました。
この法律(法の一部改正)には①「所有者不明土地の発生予防」②「所有者不明土地の利用円滑化」という2つの大きな意味合いがあります。


全体像として、①は「相続登記・住所変更登記の義務化→不動産登記法の改正」と「土地所有権の国庫帰属制度の創設→新法」です。
②は「共有制度・相隣関係規定の見直し→民法の改正」と「土地等管理制度の創設→民法の改正」です。


そもそも所有者不明土地の発生原因の約7割近くは、相続登記をしないことだそうです。土地名義が被相続人(亡くなった人)のままになっていることが多いのが実情です。今回の法案は、現在任意である相続登記が義務化されます。


取得を知った日から3年以内に登記申請をしなければ、10万円以下の過料が課されます。住所変更登記も、我々の不動産取引の際に初めてして頂く人が結構沢山おられます。これも住所変更後2年以内に登記申請しなければ、5万円以下の過料が課されます。


新設された土地所有権の国庫帰属制度は、土地を相続しても、土地管理の手間や費用等が負担となり手放したいという人は以外に多いものです。私も相続した不動産を「タダでも良いから処分してくれ」と何十人もの人から言われました。


最初私も「タダなら頂こうか」とも考えましたが、冷静に考えると不要です。それこそ「タダでも良いから処分したい」、手放したいと考える人が相続した土地が、所有者不明土地の予備軍となります。


この問題に対応するため、相続で取得した土地を国庫に帰属させる制度が創設されました。ただ国もさすがに何でもかんでも引き取るというわけにはいきません。「どうせ最後は国が引き取ってくれる」では法の趣旨にも反しますし正に本末転倒となります。


国に引き取ってもらう申請をすると、法務大臣(法務局)による審査があります。要件審査が承認となりますと国が引き取ってくれますが、それこそ「タダでも良いから」という訳にはいきません。申請者が10年分の土地管理費相当額の負担金を納付しなければなりません。


この管理費相当額も法務大臣の審査対象です。
②については、割愛させて頂きます。 私自身相続登記どころか自宅及び附属建物の登記をしていません。親からそれこそ相続した自宅です。


このことを思うと、不動産相続の相談に来られる方に偉そうにどうのこうのと言っていると思うと汗が出ます。
未登記建物の自宅を登記する話は私自身が今後行う実話となりますので、近々連載させて頂きます。

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