相談事例(空き家・生前整理)

相談者:相続人(姉妹)

相談内容

相続人(姉)より母親が死亡し(父親は既に他界)、とりあえず名義だけは、姉妹2分の1ずつの共有名義に変えた空き家がある。
とにかく何とかしたい(処分したい)という相談有(母親の死亡から2年経過)。

姉妹ともそれぞれ自宅があり、相続した実家には誰も住まない。
建物もそれなりの大きさがあり、かなり大きめの倉庫もある。
土地面積も150坪。いわゆる郡部だが市内まで車で20分位で、それなりに需要もある。
実家も倉庫も荷物がいっぱいでどうしてよいか分からない。
荷物を片付けなければならないのか、とにかく何をどうして良いか分からないという状態で相談を受ける。

とにかく現地に一緒に行く。建物の中は荷物であふれかえっている。
生活していたまま入院され死亡のため、生活用品と不用品がそのまま。
倉庫の中も農機具を始め、今では使用できない沢山のものがあふれかえっている。
土地も結構草が生い茂っている状態。姉妹二人ともどうしてよいか分からない。

残存物の処理だけで約100万円かかる。売り中古物件として売り出そうにも、売れる状態にするまでにお金がかかる。
姉妹とも、お金は出したくない(持ち出しはしたくない)。逆に言うと只でもよいから自分たちの手元から放したい。

結局、残存物はそのままという条件で買取業者に購入してもらう事を勧めました。
姉妹の手元にはたいしたお金は残りませんでしたが、ほっとした様子でした。

ポイント

お父さんが亡くなられ、お母さんお一人でこの建物に住まわれていました。
母親と姉妹の女性三人ですから、なかなか倉庫の片付けは出来なかったでしょうが、お母さんが元気な時に三人である程度片付けて、残存物が少しでも処分してあれば。

又、自宅の中もお父さんの遺品は片付けられ、お母さん一人が生活できる状態に片付いていれば。
お母さんが亡くなられた後、姉妹二人でそこそこ片付ける事が出来る状態にお母さんがしていたら。
一般的な中古住宅として売り出す事が出来たでしょう。

面倒な事は何もしたくないというのが誰しもの本音です。
結局色んなことが面倒になり、早く現実から逃避したいという事で、せっかっくの相続財産を安く手放す事になります。
今のお住まいを誰かが相続されるわけですから、相続人が多少なりとも喜ぶ相続をしたいものです。

元気なうちに少しずつ「生前整理」をされ、相続人の「遺品整理」が負担にならない相続であれば、被相続人も相続人もお互い喜ぶ相続となります。

只人間、自分の死期をコントロールできませんから、急に不幸が起こる場合が有ります。
遺族、相続人がずっと相続財産の事でストレスを抱えたままでは本末転倒です。
その場合は、どんな状態のままでも結構ですので(物理的にも手続き的にも)、相続不動産対策コンサルタントに丸投げして下さい。

あなたには、他にしなければならないもっと大切な事があるのですから。

相続人の利益又は負担減を目的として相続対策はなされます。そう考えると、元気なうちの「生前整理」も相続人にしてあげられる価値ある相続対策だと感じました。

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